事業計画書名と概要の記入例
架空の企業がインターネット でのECサイト販売を構築する事業計画書の内容の記入例です。できるだけ30文字、100文字に近づけた方が良いと言われています。
■事業計画名の記入例(30文字程度)
■事業計画の概要の記入例(100文字程度)
採点項目別まとめ
計画3年目の付加価値額は補助事業終了年度と比較して、年率平均●●%増加するため、合致する。
①ガイドライン、指針への合致
中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドラインに合致している。
②課題と達成度
手作業での顧客管理体制では作業量が複雑かつ膨大となり、そのような管理では間に合わなくなっている状況を改善し、管理作業を効率化し、営業活動に専念する時間を増加させることを課題を課題と定義しており、その解決のために補助事業に取り組む。
③課題解決
課題解決の方法としてECサイトと顧客管理システムの導入を行う。これは業務の効率化という点で優位性の見込まれる内容である。
④技術的能力
事業を始めた当初から事業部を任せていた実績がある●●が責任者として補助事業を遂行する。
①社内体制
●●が責任者となり、また計画3年目までに●名の採用を行う。
資金
資金面については、すべて自己資金で賄う予定である。
②市場ニーズ
補助事業については、インターネットのアンケート調査によると、健康食品の購入は半数以上の●●%が『ネット通販』であることがわかっており、市場性は十分に見込むことが出来る。
③優位性
補助事業においては、高い商品力と営業力という点で優位性をもつ。
スケジュール
●●年●月補助事業を開始し、●●年●月に補助事業完了予定である。
④費用対効果
投資費用●●万円に対し、計画最終年までの累積営業利益は●●万円以上を予想しており、高い費用対効果が見込める。
その1:補助事業の具体的取組内容
自社の概要
●●年より、健康食品を中心としたヘルスケア商品を日本全国の一般のお客様を対象に、電話での提案営業を行ってきた実績がある。信頼出来る健康食品メーカーとの取引により、品質の高い特許商品等をお客様に提供している。毎日の健康習慣こそが私達の健康生活を築くことを重視し、より多くの顧客に健やかな暮しをお届けすることを使命と考え、顧客への相談や提案を行っている。お客様の喜びが、私達の喜びであり、お客様の健康提案には、責任と自身を持って取り組んでおり、顧客からの信頼も厚く、売上は堅調に増加している。
SWOT分析
1、顧客に寄り添うヒアリングが得意
お客様一人一人に担当者を固定し、お客様の立場に立ち、より細かなヒアリングサポートを行っている。
2、豊富な商品知識で、信頼を獲得
健康食品の知識が豊富である。また、信頼できる企業の特許商品を扱っている。
3、顧客の問題解決型の提案が支持されている
お客様のニーズに合った健康食品の提案を始め、健康に関するお悩み相談等、これまで数多くのお客様に対応してきた接客経験を持つ。
■W(弱み)
1、従業員が少ないため、個々の業務負担が大きい
顧客情報をまとめて手書きでのカルテ作成が必要なため、1顧客に対する業務の負担が大きい。
2、顧客層の偏りがあり、新規顧客の獲得が弱い
既存顧客からの紹介が多いため、偏りがあるために新規顧客獲得が弱い。
■O(機会)
1、働き方の多様化とテレワークの一般化
新型コロナウイルスにより、テレワークが一般化してきている。
2、データベース構築のモジュール化と効率化
WEBデータベースやシステム構築は、モジュール化されてきており、構築までの時間が短縮できる。
■T(脅威)
1、新型コロナウイルスの感染拡大による営業所の休業
感染拡大により、対面での営業が厳しく、顧客との接点が少なくなっている。
2、電話営業の売上低下
スマートフォンが普及したためWEBが主流になり、電話での営業効率の低下している。
3、物価高騰による商品単価アップ
物価高騰による、人件費・配送費などが商品価格に反映され単価がアップしている。
市場動向
機能性表示食品の市場規模はメーカー出荷金額ベースで、●●年度が●●億円(前年度比●●%増)と推計し、●●年度は●●億円(同●●%増)を見込むと言われている。
高齢者層を中心に健康・免疫に対する関心が高い状態が引き続き続いており、健康食品の需要は引き続き堅調である。さらに、若年層から中年層においても、コロナ禍以前から健康食品を摂取している消費者は、引き続き摂取を続ける傾向が強く、今後の健康食品市場は緩やかな成長が続く見通しである。
技術的課題【技術面②】
手作業での顧客管理体制では作業量が複雑かつ膨大となり、そのような管理では間に合わなくなっている状況を改善し、管理作業を効率化し、営業活動に専念する時間を増加させることを課題と定義している。
具体的には、以下の通りである。
技術的課題1 情報を一元管理できていない
顧客や注文に関する情報が、Excelなどの表計算ソフトやパソコン上の帳簿といった2ヶ所以上のところに保存されており、営業チームが顧客の連絡先や注文、取引状況を一望できず不便を感じている。
術的課題2 営業活動が非効率である
自社の営業担当者が現在どのような顧客にアプローチをしていて、どのような営業活動を行っているかも十分に把握できないため、営業成績を伸ばすサポートができず、担当者に責任感を持たせることも困難である。
技術的課題3 顧客カルテの作成が面倒で負担になっている
顧客カルテの手作業での作成に時間がかかり、それが原因でときには売上をまったく管理できていないことがある。
上記例のように、事務作業に時間を取られ、肝心の問い合わせへの対応や顧客フォローの回数が減るなど、営業活動に支障をきたしている。このように、どれだけ高い顧客への提案能力を有していても、営業活動が停滞すれば、労働生産性の低下に繋がってしまう。これこそが当社が保有する技術的課題である
具体的な取り組みと期待成果【技術面②・③】
【具体的な取り組み】
技術的課題である営業活動や提案情報が分散されていて、見込み客獲得や既存顧客のフォローアップ計画を立てることができない問題を解決するために、以下のECサイトと連動した顧客管理システムを導入し、顧客情報の一元管理を実現することが本事業の取り組みである。顧客カルテの作成など、非常に多くのタスクをそれぞれ独立したシステムやツールを利用して管理していたが、システム間で連携は取れず、同じ内容を何度も入力する必要があった。
【本事業の成果】
顧客管理システムとECサイトを導入することで、これまで課題としてきた放置されていた情報の一元化・共有化が実現でき、顧客獲得の機会損失が解決できる。それによって、新規見込み客の獲得・売上の拡大が実現できる。
【目的と事業の完了】
本事業は、当社の営業活動の効率化と、受注までのリードタイム短縮による商談件数の増加を目的に、業務に合致した顧客管理システムを当社が導入し提供するものである。
そのため本事業は、同システムの開発及び導入が完了し、実際の業務に適用できる体制を整えた時点で完了とする。
事業スケジュールと実施体制
本事業の実施体制
【実施スケジュール】
●●年●月 ECサイト構築打ち合わせ
●●年●月 業務現状分析
●●年●月 業務フロー構築/データ構築
●●年●月 顧客管理システム設計・ECサイト制作
●●年●月 システム導入
【本取り組みにおける社内責任者、統括者】
●● 統括責任者 事業を始めた当初から事業部を任せていたので十分に能力がある
【人員体制】
テレフォンアポインター アルバイト(新規)想定年収 ●●千円
クローザー(営業) 正社員(新規)想定年収 ●●千円
【連携企業】
●●株式会社 健康食品・サプリメントの企画・開発
資金調達【事業化面①】
投資総額(税込)●●千円 金融機関借入 ●●千円 自己資金 ●●千円
当社の経営状態は良好であり、現金及び預金にも十分に余裕があるため、本事業は全額自己資金で対応する。
中小サービス事業者の生産性向上のためのガイドラインへの合致【技術面①】
本事業で導入するECサイトを用いて、フックとなる商品提供が実現でき、リードから成約までのマーケティングプロセスが改善されるため、該当する。
2 商圏の拡大
本事業で導入するECサイトを用いて、既存顧客以外への情報の提供が可能となり、商圏・販路拡大が実現できるため、該当する。
3 独自性・独創性の発揮
本事業で導入するECサイトを用いて、新コンセプトの限定商品やおためし商品の提供が実現できるため、該当する。
4 ブランド力の強化
本事業で導入するECサイトからのマーケディングデータを用いて、個々に向けたプロモーションが実現でき、顧客の信頼を獲得できるため、該当する。
5 顧客満足度の向上
本事業で導入する顧客管理システムを用いて、変化、ニーズに対応でき、「ヌケモレ」のない、きめ細かいフォローが実現できるため、該当する。
6 価値や品質の見える化
本事業で導入するECサイトと顧客管理システムを用いて、初回購入時から、次回購入の時期や顧客の健康状態の管理をサポートすることが実現できるため、該当する。
7 機能分化・連携
本事業で導入する顧客管理システムを用いて、自社が持つノウハウを活用しながら、煩雑だった事務業務と営業活動の分離・効率的な連携が実現できるため、該当する。
8 IT利活用(付加価値向上に繋がる利活用)
本事業で導入するECサイトと顧客管理システムを用いて、自社内部の顧客データを活用し、「かゆいところに手が届く」必要なタイミングでの商品提案が実現できるため、該当する。
9 サービス提供プロセスの改善
本事業で導入する顧客管理システムを用いて、手作業であったバックオフィスの顧客カルテ作業の効率化が実現でき、人員が有効活用できるため、該当する。
10 IT利活用(効率の向上に繋がる利活用)
本事業で導入するECサイトと顧客管理システムを用いて、サービス提供過程の自動化により効率的な顧客サービスが実現できるため、該当する。
その2:将来の展望(事業化に向けて想定している市場及び期待される効果)
事業の成果
見込み客についてのデータを保存し、やり取りのたびにその顧客データは更新されるため、いつでもどこでも確認することが可能になる。加えて、見通しや予測に関する指標をすぐに得られるようなる。
成果2 営業活動時間の確保と効率化
事務作業が効率化され、繰り返しの作業を自動化すれば、成約に向けて専念する時間が増える。一元管理をすることで、顧客とのメールのやり取りや電話での行き違いを解消することができる。
成果3 営業とマーケティングが連携できる
リードが営業部門にとって有望かどうかを評価し、どのマーケティングキャンペーンが成約に役立ったかを判断できるため、新規顧客獲得の効率が向上する
市場動向とニーズ【事業化面②③】
健康産業新聞による健康と食品懇話会が昨年●●月に明らかにした健食ユーザー対象の調査では、最も使用している購入チャネルは「インターネット通販」が●●%で最多。前年調査より●●ポイント増えた。ネット通販の利用は●●~●●代が最も多く、半数以上が利用している。
この傾向は総務省統計局がまとめている「家計消費状況調査」でも示されおり、ネット通販に特化して●●品目を調べている同調査では、世帯主の年齢階級別にみると、健康食品の支出額が最も多いのが●●代となっている。●●年度支出額は前年度比●●%増の●●円に伸びた。健食ネット通販支出額2 位は●●代で●●円(前年度比●●%増)、3 位は●●代で●●円(同●●%増)。スマホ等の携帯端末による通販利用者が著しく増加、「その勢いはさらに加速し、幅広い世代に浸透している」と報告されている。
顧客ターゲットと計画数値の妥当性
「接種している健康食品を知ったきっかけ」として、●●代以上の女性は●●位、男性は●●位に「インターネットの広告」を挙げていることからも、シニア向けの健康食品を取り扱う場合、オンラインでのマーケティングが効果的であり、ターゲットと想定している●●~●●代の顧客に対しては、設備導入による営業の効率化・アフターフォローの充実化も期待できることから、十分に新規顧客を獲得可能だと考えている。
他社との差別化・自社の優位性
「●●●」「●●●」「●●●物」の三大栄養素を含んだ、特許を取得している商品力で他社との差別化が可能となり、リピーターや知人の紹介など事業機会に繋げることができる。
② 過去●年の顧客数の多さと高い営業力でクレームが少ない
顧客数の多さと電話での営業経験から、顧客との接点が多いため、顧客の獲得力に優れている上、顧客の安心感にも繋がると考えている。本事業で達成される営業の業務効率化により、更なる商談数の増加を期待している。
事業化に向けた取組みとスケジュール
今後3年間の事業化スケジュールは、以下の通りである。
1年目 ・顧客システムの導入・地域人材●名の雇用
2年目 ・スマートフォンアプリ対応・パックオフィス作業の効率化
3年目 ・ECサイトと顧客管理システムの完全運用・営業業務の強化
事業化見込み
本事業における取り組みを「顧客情報蓄積」と位置づけるのであれば、事業実施後の取り組みは「活用と連携」がテーマになる。見込み客についてのデータを保存し、やり取りのたびにその顧客データは更新され、確認することができるため, チームのメンバー全員が状況を共有でき、簡単な操作で最新の情報にアクセスできます。「顧客の履歴」や「顧客の現在の優先事項」、「利用しているソーシャルメディア」、「顧客とのこれまでのやり取り」、「過去の営業関連のやり取り」など、3年以内に、新規顧客の増加による売上増加を達成。顧客のフォロー強化により更なる受注の増加と競合他社との競争力を強化する。
費用対効果【事業化面④】
本事業の初期投資(資本的支出)は、システムプラット構築費用の ●●千円である。 新規顧客の増加による売上増に加え、人員の生産性の向上により、営業利益は後述その 3 の通り増加する。これらを根拠に、本計画は費用対効果が高く収益性を有している事業と言える。
その3:事業計画における付加価値額等の算出根拠
(積算根拠を以下に記載)
◆売上高:既存事業:
新規事業により、新規の顧客数が向上することを見込む。前年度比 ●●%〜●●%で成長すると仮定。
◆営業利益:
営業利益率は、直近 ●● 期の平均値から、●● 年間平均で ●●%と仮定し算出している。
◆経常利益:
営業利益から営業外利益や営業外費用を引いたものである。基準年度から算出。
◆人件費:
人員体制に記載した通り、新事業の発展により ●●名の地域人材雇用(想定年収:●●千円)を予定してる。
◆減価償却費:
顧客管理システム・ECサイト導入費用(●● 千円)を ●●年で償却し、基準年度の減価償却費に加算した。
◆設備投資額:
以下に内訳を記載する。●●●(単位:千円)
◆給与支給総額:
基準年度をベースとして、当社の人件費に比例して増加していくものとして計算した。
ご参考になれば幸いです。